どこかの国の男の子が、道路にしゃがみこんで路地の先を見つめている。歩いているわたしの角度からようやく路地の先が見えるかというときに 猫のしっぽだけが塀の向こうに消えていくのが分かった。彼は穏やかなスピードで体を起こし、少しだけわたしに目配せ…
今年も夏が終わろうとしている。駅の向こうの、小さな丘のベンチに座って音楽を聴いた。イヤホンから流れる音楽は遠くに見える積乱雲を超えられず、じっとりとした風に溶けていった。「また雨が降りそうだ」それに背中はじんわりと汗をかいている。雲の隙間…
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