日没

東京はクリームソーダの街らしい

2015-01-01から1年間の記事一覧

記憶

・8月 線路沿いの神社が隠れ家だった。お社の裏の縁側のようなところに腰を下ろすと目の前には線路があって、電車は2.3分おきに通り過ぎた。長いことそこで何をするでもなくぼんやりしていたが、やがて手持ちぶさたになって古本屋で買った江國香織の「なつの…

midnight

右手首につくってしまった火傷の痕がなかなか消えない。1ヶ月くらい経っただろうか、治ってもいい頃なのにまだうっすらと残っている。不思議とぼんやり眺めてしまって、頭の中でその点と点を結んでなにかの星座みたいに見えるなぁなんて思ったりして、そうし…

デイ・ゴ—・バイ

今日が何月何日なのかも分からない。手帳に予定を書き込むこともいつしかしなくなった。ネットで見かけていたとても好きな呟きをする人が居なくなって何ヶ月経ったかも忘れてしまった。坂道の向こうの踏切を越えたところにいるから、傘を持って待っているよ…

破れた街

夕方、新宿に向かう。いつもの靴と好きなバンドのTシャツを着て。煙草が充満している喫茶店は天井が低く感じたし、青地のベロアと思っていたソファが実際はなんてことない色のソファで落胆した。頭の後ろから聴こえる心地好い音に耳を澄ませて何かの音に似て…

檸檬

髪からは醤油の匂いがして、布団からは焦げた太陽の香りがした。誰かの待っている姿を想像できないのはわたしがずっと待っているからだろうか。1年前に、博物館の隅のソファで聴かせてくれた曲を思い出していた。“埃たまった記憶や思い出と 長く借りっ放しの…

したためる

ふた月ほどブログがあいてしまった。といってもツイッターで毎日どうでもいいことは呟いているのだがひたすら時間がある毎日を送ってそれでも何もなくて、ブログを書こうと思い立っては書けなくて人と会って喋ってはどことなく後ろ向きになるばかりの日々で…

youth

昼間の陽差しがまだ仄かに残っているような街灯を、雨粒ごしのレンズで眺める。その夜に拾った椿の花を左の掌にのせて帰宅した。花弁の裏には一粒の雨露があり、零れないように消えないようにとするわたしの手は少し震えていたかもしれない。もう死んだ花の…

Nightfever

もらった手作りの石鹸は、やっぱり使えなくて部屋の片隅にある。零れるサイダーを見つめていたら、星の呼吸が聞こえるかな。誰かからの手紙が届く時に一番気になるのは、何色のペンで言葉を書いたのかってこと。3月の日曜日、ネイビーブルー。そんな記憶、そ…

サリンジャー

若き日の僕は青春の日々をさすらっていた 何にもとらわれずただただ空を眺めては時間がゆっくりと過ぎていった その中でももちろん嫌なことも悲しいこともたくさんあったが その都度雲の形や月の明かりがつくった影の姿にヒントをもらって 答えを見つけだし…

東京、あこがれ

とりあえず、卒制が終わりました。よって4年間の大学生活が終わりました。 うまく感情が整理できないけど書いて言葉にしないとわたしは忘れていくばかりだと最近分かったのでブログを書いている。どれだけ今しょうがなくても苦くてもつらくても泣いてもヘラ…