日没

東京はクリームソーダの街らしい

2016 is ...

今更ながら2016年リリースの5枚を選んでみました。面白みはないと思いますが、なんだかこの5枚は本当に心に残ったというか それぞれが特別な1枚として刻まれた感が強く自分にはあり、書き留めておきました。

 

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Galileo Galilei 『Sea and The Darkness

活動終了とともに発表された4thにしてラストアルバム。ガリレオガリレイにはいろんな想いがありすぎてうまく言葉でなんてまとめられませんが、特別なバンドの特別なアルバムでした。彼らの憤りや悲しみや愛がジリジリと迫ってくる曲群、今までで一番真摯でドラマチックで血の通った痺れるラストアルバムで…誇らしいくらい大傑作!“ゴースト” “鳥と鳥” “青い血” “Sea and The Darkness Ⅱ” などお気に入りの曲はいっぱいあるけれど “恋の寿命” の絶妙な抜け感とエモーショナルなポップさはこのアルバムで際立っていて何回聴いてもグッときてしまう。。(とにかくガリレオへの思いの丈はこちらに綴ってあるのでもしよければ読んでください) 

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American Football 『American Football (LP2)』

気づいたら冬になって、あの家から見える外の世界の空気は澄みきっていた。風の揺らぎや窓からの光りが落ちていく瞬間まで隅々までいきわたっている。もはや言葉なんて必要ないんじゃないかとさえ思ってしまうどこまでも凜として優しいメロディが「お前の居場所はここじゃない」って言ってくる。多分これなんだろうなぁ。。  

 

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サニーデイ・サービス 『DANCE TO YOU』

八月の終わりにこのアルバムを聴いた衝撃、とにかく凄まじかった。このアルバムから終始漂う虚しさとそれゆえの幻影はなんなのか。隙が無いのに手の内から恐いくらいきらきらと滑り落ちてゆく…。何年後かにこのアルバムを聴いたらその切なさと儚さに殺されそうです。“パンチドランク・ラブソング” から “苺畑でつかまえて” “セツナ” への緩急のリズムが心地よく “桜 super love” の《きみがいないことは きみがいることだな》で膝から崩れ落ち…そしてラスト《九月の海へ行こう バイバイ》という詞が加速していきいつの間にか消えてしまうのです。めちゃくちゃ聴いたのですが非常に危険なアルバムなので今後封印しかねない、そんな一枚でした。(ちなみに感化されすぎて九月の海に行きました)

 

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ラブリーサマーちゃん 『LSC』

“青い瞬きの途中で” を初めて聴いた時に感じた、胸が痛むくらい 目が眩むくらいな青さ。名前は知らない気になるあの子のイヤホンから流れる音楽みたいな 放課後意味もなく一人で彷徨った路のような 信じたいものとか諦めたこととか…それでも求める何かとか。久しぶりにスピーカーの前で体育座りをして歌詞カードを見ながら聴いたり、ギターを引っぱり出して耳コピしたり、深夜のラジオの弾き語りで少し泣いたりした。“僕らなら”という曲で《見に行こう 全て この船が終わる日も  君となら良いや 君と居ることを決めた  君となら  僕らなら》という歌詞がある。本当にエモい、そしてラブサマちゃんはオルタナティヴ、つまり 最高だ。。。

 

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宇多田ヒカル 『Fantôme』

個人的な感想でしかないですが、とにかく美しい曲や名曲のオンパレードで、アルバムを聴いている満足感があって、制御されていてきっちりしている。なのに鮮やかでありながら色合いは無に近い。想いや音や場所が、いろんなものを超越している気がする。1曲目 “道” から “俺の彼女”、これだけでぶったまげてしまうくらいポップでクールでエモーショナル。“二時間だけのバカンス”《今日は授業サボって ふたりきりで公園歩こう》、“忘却”《いつか死ぬ時 手ぶらがbest》、そして最後に《開いたばかりの花が散るのを 見ていた木立の遣る瀬無きかな》とこのアルバムから絶ったように収録されている “桜流し” で独特な匂いと《Everybody finds love  in the end》を まるで祈りのように焼き付けられてしまう。